血は天下の回り物
ただいま、灼熱のオーストラリアで “あまりの暑さで” ぶらさがっている木からバタバタ落ちて、コウモリ・シェルターはてんやわんわの大騒ぎだそうです。
オーストラリアに生息しているこうもりは、すごいかわいい顔をしたこうもりが多いんですよ。ぶどうや、バナナをモリモリ逆さまで食べているあの姿にはノックアウトです。
これ、先日娘の大学から借りてきてもらった本。中には、ここ2年で借りた人がしおり代わりにつかって捨てるのを忘れた貸し出しメモが6枚(つまり6人分)もはさまれていました。コウモリの本は人気があるようです。
で、昨日ニュースで見かけたのがオーストラリアのクイーンズランド大学研究室が吸血コウモリの“毒”が人間の医療に役立つのではと発表し、研究をしたいそうなのですが、そもそもこの吸血コウモリが住むのはラテンアメリカの大陸で、さらにこの種のコウモリが住む地域は麻薬のディーラーがうようよしている場所だそうで安全面から二の足が踏まれてるそうです。
うん、あの地域の麻薬ディーラーをなめたら、命がいくつあっても足りなそう。
でもですね、この吸血コウモリ(ちなみに、日本やポーランドを含むヨーロッパで見かけるコウモリは蚊や虫をガッツリ食べてくれるエコな蚊取り線香生き物でございます)悪いイメージが先行していているために評判悪いのですが、彼らの社会はそりゃ、世知辛い人間のさまの社会よりもかなりギブ&テイクが発達しているんですよ。
というのもですね、すべてのコウモリが毎晩安全に家畜の血を吸える(実際には、麻酔注射のような牙でチョイチョイとさして、痛みを感じなくした箇所から流れる血を舐めています)わけでもなく、空腹の夜をすごすコウモリも少なくないわけです。
どうしよう、どうしよう、と思いながら、あら、夜が明けちゃった、となると次の夜更けまで空腹との戦いになるんですね。う~ん、おなかすいたまま寝るのは私も嫌ですね。でもこの吸血コウモリ、血をたっぷり飲んできた仲間は空腹の同胞を見ると、なんと飲んできた血を分けてあげるそうです。
いよっ!太っ腹!
そして、かつて自分が分けてもらったことがある相手だと、喜んで分けてあげて、、、かつて分けてくれなかった相手には「仕返し?!」ということで分けないこともあるとか。人間臭いわ。笑
でも、基本的には血をお互いに分けることでそのコロニーの生存率を高めているというので、これぞ古の意味そのまんまの「情けは人のためならず」。
金は天下の回りもの・・・じゃなくて、血は天下の回り物ですな。
この大学の研究が広まって、コウモリの保護活動につながるといいなぁ、と考えてるペレックでした。