私たちの家 彼らの家

 とにかく寒かった5月を終えて、ようやく初夏といいますか、暖かい日がやってきたポーランド。皆さん、待っていましたというように庭や畑で大仕事。我が家も花の植え替えというライト級の仕事から、開拓地の雑草処理というヘビー級のものまで、やること満載です。

 

 我が家の家計画。ウッドショック以前から、見積もり書の値段の揺れが激しかったのにこの全世界的な木材価格の高騰で眩暈だけではなく、発作まで起こすんじゃないかという値あがり模様に、木造家屋を諦めました。(涙)

 

 最終的に、ポーランドお家芸?のセメントブロックを骨組みにし、内装はそのまま古民家風を突っ走ることで自分を納得させました。

 だって、骨組みを木造にすると、今年中に家は建つそうですが、お値段がすごい。セメントブロック計算だと家プラス駐車場をつけてもお釣りがくる状態なんですもの。

 

 基本的に、外観のこだわりは旦那。彼は家のスタイルをこの地方のシレジア風にする使命に燃えています。まぁ、土地にあった家の外観にするというスタンスは私も賛成なのでここでは全面譲歩。その代わり、内装は私の好みで爆走中。家の中でぐらい日本にいさせて頂戴、ということで日本の古民家風。

 先日、設計士さんと吹き抜け部分に見せる飾り梁の部分の話を詰め、そろそろ役所に建設許可を求める段階までやってきました。

 う~ん、家を建てるって結構時間とエネルギーが要りますね。

 

 こちらもどれくらい時間がかかったのかしら。5月は天気があまりよくなかったので、数日おきぐらいに開拓地に出かけていたのですが、振り返ったらこんなお家が。

 

ぱっと見、2匹の幼鳥が硬直状態で巣にすわっています。きっと今この瞬間にも頭上で親鳥がハラハラしながら見ているかもしれないので、サッと写真を撮ってすぐ退散。

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しかし、鳥が巣を作っていることにすら全く気配を感じられなかったから、猛特急で組み立て?して産卵して温めたのでしょうが、その間私も旦那も全く気が付かず。

 

仕事用具を置いてあるところで、この巣の斜め手前に一輪車があったのだけど『私ここに居ませんーーー!』『気のせいですーーー!』と全身から消え入りたいという雰囲気をガンガン出している小鳥が気の毒で鳥たちが巣立ちするまでこちらの仕事をストップ。

 

数日後。

 

今回はじっくりと観察。お上手だなぁ、と感心。

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巣は空になっていました。食べられた後もなく、巣もきれいだったのでうまく巣立ったようです。

めでたし、めでたし。

 

生きてます。ご無沙汰しておりました。

 おっと、前回更新からすでに1か月以上たっておりますね。この一か月、それなりに忙しかったのです。

 我が家もコロナ感染者がでまして(っていいますか、家族の誰かがかかった時点で全員感染者ですね)、旦那を筆頭に子供たちも皆発症。

 旦那は1週間ぐらい熱を出してフラフラしておりましたが、子供たちは2日ぐらいで熱はなく、頭痛のみで復活。

そんななか、東アジア遺伝子を一番強く持つ私。無症状すぎて、申し訳なかった・・・。だるくもないし、熱もない。でも、この間家事がぐっと増えたので『あ~つかれた。熱が出そうだわ』と、体温計をわきの下に挟んでみるも、ばっちり平熱ストライク。

 

 知り合いのイギリス在住の日本人の方と連絡を取る機会がありまして、話を聞くと彼女も予防接種を受けていないのに知らないうちに抗体が体の中に出来上がっていたそうで、つまり知らない間に感染していた→無症状だったそうです。恐るべし、この東アジアの免疫力。

 

 フラフラしている旦那を車に詰め込んでウィルス検査・確認をし、コロナ感染が確実になった時点で我が家の住人は外出禁止のリストに入りました。つまり買い物が出来ないんですね。幸い、ちょっと前に食糧庫を補充したばかりだったのでネットでちょこっと頼めば済む状態。この町の友人や親戚から食べ物運ぼうか、という連絡も頂きましたが気持ちだけありがたく受け取りました。

 ちなみに、この間義母は蜘蛛のように親戚ネットワークを張り巡らせましてどこの誰が感染したとかを把握。苦笑 そうしたら、30代、40代で寝込んでいる親戚が結構いることが判明。

 

 とりあえず、先日旦那が一抜けで外出可能になりました。私と子供たちはあと数日、自主隔離です。息子なんか、退屈すぎて庭で一人バトミントン始めてますからね・・・。

 

 家の中にいたら気がふれそうなので、私も庭でウロウロしてまして、庭のラディッシュを引っこ抜いてみた。

 

 なんで、葉っぱのほうが多いのだろう

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差別と憎悪と試練

 

 

 先日、スープとパンを食べていて、歯を割った私。ナッツとかをボリボリ食べていたんじゃなくて、スープですよ、スープ。自分でも不思議で仕方がないのですが、我が家担当?の付き合いの長い歯医者さんに泣きついたら、翌日の朝にすぐ予約をねじりこんでくれました。(この、スープで歯に問題というパターン、これが初めてじゃないんです、、、って、私が作るスープはなにか根本的に間違っているのか?!)

 

 と、私は自業自得?とまではいかなくても、納得もいかなくとも、とりあえず自分で作った食事で歯がおれてしまったということで、「仕方ない」、と自己完結できましたが、つい先日アメリカで突然石のようなものを道で襲われて顔面骨折や歯をやられた日本人女性の方がいらっしゃいましたね。

 自分の事じゃないけど、心が折れそうになりました。

 彼女の目に見える傷もさることながら、心の傷も早く治りますように。

 アメリカのアジア人憎悪、強烈なレベルになってますね。

  

 

「海外書き人クラブ」メンバーの『コロナでの差別』記事。ポーランドを担当しました。

www.jiji.com

 

 

 今、ポーランドはコロナの「イギリス・バージョン」が猛威を振るっています。ふと、これが日本バージョンやアジアのバージョンと呼ばれていたら、、、そうだったらと思うと、怖い…。

 

 今現在、私の住んでいる場所は買い物のレジで前にいるおばちゃん(いや、私もおばちゃんか 苦笑)が私に話を振ってきたり、信号待ちでどこぞやの爺様が「いい天気だねぇ」とお話を始めるような緩い空気なので、このまま、このままでコロナは収束してもらいたい。

 

 今日も平和な我が家の猫たち。このコロナ禍で、ポーランドはペットを飼う家がすっごく増えたそうです。

 

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 見てる分には癒しなのですが、実はリリットさんは下で水を飲んでいるんですよ。それを上からドヤ顔で観察、さらに何か煽るニカさん。毎日のようにリリットさんについて回って、ストーカーまがいのことをやった挙句に、寝てる彼女をはたこうなんて企てるニカさん。 一人っ子大好きのリリットさんの試練の日々はあと少し、続きます。(ていうか、一人っ子が特別好きじゃなかったとしても、相手が悪すぎる 汗)

 

 今日のタイトルは、負の3連発だわ・・・。

変わるべきもの、変わらないでいてほしいもの

 前々回の黒猫たちの「働けよっ!」圧のおかげでしょうか?ここ最近はコロナが始まって以来の、スケジュールの詰まりよう。サクサク、仕事こなしております。そして、ポチポチ買い物しているので、貯まらない。苦笑 

 金は天下の回り物、これを座右の銘にしたいと思います。

 

 しかし、報道ステーションの「ジェンダーCM」、見事に炎上しましたね。私は怒れる知り合い経由でツイッターで流れてきたものを目にしたのですが、見て『あ~、そりゃ(女性は特に)イラっとくるだろうな』という感触。

 どんな形でも、女性というだけで差別を受けた人には『ん?なんだって?(怒)』と感じたと思うけど、こういう差別を受ける側じゃなかった人、受けてこなかった人には、このイラっと感が理解できないのでしょうね。

 「ジェンダー問題」、私がまだ日本にいた時分は(ん、ちょっと昔ね)『そりゃ、仕方ないじゃない』『世の中そんなもんよ』というのがまだ広く浸透していたんですね。そして出来る友人がボソッと『私、男に生まれればよかった』と口にした時にはちょっとした衝撃を受けたのを覚えています。あれから20年近くたっていますが、あの時からそれほど変化はしていないのでしょうね。

 是非とも変わってほしい、というか私たちの手で変えていかなきゃいけない事項です。

 

 でも、変わらなくていいこともあるかな~。先日、なにかの記事で読んだのですがなんと現在の30代以下の世代の多くがすり鉢というものを知らない、見たことがないという衝撃の内容。すり鉢を見たことがないって、胡麻はどうしてるのよ!と思ったら、なんと今、摺りごま自体が売られているんですってね。

 も、ビックリした!

 20年前に日本を出るときに、ゴマをするための小さなすり鉢を箱に詰めた私。でもジャガイモをつぶしたり、魚のすり身をつぶしたりするのは小さすぎて使い物にならないので追加で後日大きめのすり鉢を手配しました。

 

 すり鉢は岩見焼です。島根の元重製陶所さんの8号。すごい安定感と摺れの良さ。すりこ木は、なんと、私の母親のお手製、山椒の木で作ってくれました。

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 ええと、確かにフードプロセッサーで魚のすり身をつぶせばいいじゃな~い、という声が聞こえてきそうなのですが、その後洗うことを考えると断然すり鉢のほうがいいし、楽なのです。そのうえ保管場所も取らないし。さらに、言わせていただくとすり鉢は電気がなくても料理続行可能です。笑

 

 ちなみに、この『すり鉢でする』というのが楽しいらしく、時々子供たちが料理中にやってきてはゴリゴリ潰して喜んでいます。(安上がりな子供達だ 爆)

 

こういう日本の古いものは、残ってほしいなぁ。。。

値上がりラッシュ

 3月も半分過ぎました。ポーランド、3月って外はまだ寒いんですよね。

『じゃぁ、まだだよね』と去年は何を思ってか、ナスの種まきを明日にしよう、来週にしよう、と暖かくなるのを待っていたら時すでに遅しというひどい目にあったので、今年は3月に入った段階で家の中で種まきを実行。

 こう、芽が土から顔を出す時期がとてもかわゆいのです。

 初々しくってね。

 でも、どれだけかわいくても最終目的地はお皿の上設定。笑 

 ナスは食べてなんぼですわ。

 今年こそ、自家製ナスをたっぷり食べたい。。。

 

 さて、開拓地の家計画、建築家と工務店といっしょにすすめていたのですが、が、が、この段階になり工務店が提示価格の20%増しをしてきたのです・・・。

 トマト一袋の値段が20%上がった、とかいうレベルじゃなくて建築費の20%ですからすごい差額なんです。

 資材が値上がりしたという理由を口にしていたのですが、この資材の会社の中の中をよぉぉぉく知っている知り合いに尋ねると(世間は狭いですね、これがまた、いるのですよ 苦笑)、昨年から3%しか値上げしてないと。

 じゃぁ、この差額はなんなんでしょうかね。

 建築家のほうにも事情連絡を入れたら『これはちょっとえげつない・・・・』と絶句。苦笑

 はい、あまりのえげつなさに、今その値段の揺れ幅について、とっても丁寧に理由を聞きただしているところです。

 

 それに追い打ちをかけるように、なんとポーランドで71日以降、EU外からの郵便物全てに(郵便物の価値がどれだけ低くても)税がかかるようになるという情報を目にしてしまった。

 つまり私が日本から引っ張ってこようと思っていた、あれやこれや、畳やヒノキぶろにもガッツリ関税がかかるってことですよね。

 畳は7月前にこちらに届くように手配できるけど、さすがに風呂はねぇ・・・・。

 今、欲しいものリストを作り上げて、6月中に船便で滑り込めるよう計画中でございます。

 あ~、いそがし。

 欲しいものリストもそうだけど、買い物リストにあがった買い物ができるようにジャンジャン仕事をしなければ。汗

 

ラディッシュの芽を見守るリリットさん。 

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ラディッシュの芽を食っちまうニカさんは、プランターに近づかないよう監視されております

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面の皮の厚さ ≒ 人間の成長

 毎日、新聞に目を通しても(ポーランドでも)汚職&コロナというセットでなんだか気がめいってしまいます。そういうことで、最近のガス抜き?は、腕と肩のリハビリセンターでしておりました。

 

 リハビリの運動がガス抜きになった、とかいうのではなく超音波治療時のおしゃべりの方ですね。担当者の方が、私の肘に超音波を当ててくれるのですが、この時にペットの話から始まり、バケーション、そしてフィナーレは恋バナでしょう。笑

 

 治療室という立派なプレートの部屋の中で、『ふふふ』『うふふふふ。。』と、なんだか、部屋にそぐわない音響を発しているのは重々承知ですが、このくらい楽しいことがないとリハビリセンターに行くモチベーションがわかない。

 おかげで、(自己比)95%の回復状態です。

 頑張れ、私。

 

 

 痛みに悶えていた2月、それでも開拓地は着々と開拓されておりました。まず、木の伐採が禁止される季節(鳥が巣をかけはじめる季節から幼鳥が巣立つまでの間)の前に、家を建てる部分を確保するため、どうしても幾ばくかの伐採をしなくてはなりません。

 

 何度も土地に出向いて、大きくなっている木を残す方向で家の位置を北に西に数メートル動かして、場所を決めたら、次は伐採予定の木にスプレーで番号を振っていきます。

 番号を振った木の種類を記載して(松とか杉とかね)木の円周も図り数値を記入。その一覧表を作成したら、その村が統括されている街の役所に伐採申請をします。役所の人が、この申請書に添付されている一覧表が正しいのかチェックをするため後日、申請地に時間を決めて訪問するのですが我が家には電話が。

 

 役所「約束は今週の金曜日の14時でしたよね」

 旦那「そういう連絡をいただいてますが」

 役所 「あのね、地図を他の職員に見せたら、お宅の敷地まで私の車じゃとても進め 

ないから、約束の10分前ぐらいに役所まで迎えに来てくれないかしら」

 

 非常にポーランドの役所らしい。

 

 ということで、役所の人を役場からピックして敷地に向かった旦那。役所の人がこの村の人だとわかると方言で話したそうなので車の中は和気あいあいだったそうな。

 更に敷地につくと、ここに住むのは怖くないのかとか、村で初めての日本人が住むのねとか木のチェックはそこそこに話が続きサラッと許可が出たとか。でも、私が一瞬『うっ・・・』と思ったのは役所の方の次の一言。

 

 「おたくは私たち側(このシレジア地方に昔から住む人たち)だから、村の人とも特に問題はないでしょう」

 

 それって、旦那がこの地域の人じゃなかったらやっぱりあれですかね、滅茶よそモン扱いですかね。そのうえ、日本人の嫁なんて、もっとよそ者ですかね。

 

 ひと昔前ならこんなセリフにドン引きしていそうな自分もいますが、日本を出て20年。そこそこ、いや、時間の経過とともに皮下脂肪のようにたっぷりと神経も図太くなってきた私。村の女性たちと問題なくやっていけそうな気もする・・・。

 これは面の皮が厚くなった、とかじゃなくて、人間成長したっていうのよね、きっと。

 

木はできるだけ残せる方向で最小限伐採・・・したんだけど、それでも木を切るのは忍びなかった。業者さんが4日間戦った後がこちら。

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リリットさんとニカ(娘の猫)の監視のもと?仕事する私。体の調子が戻ってきたので、いい加減働けと、圧をかけられています・・・。

 

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読んで字の如く『怪我の功名』

 

 

 今年の復活祭(イースター)は44日だそうで、まだまだなのですが、実はいま私が己のために復活祭をしたいくらいの勢いです。

 

 ブログをずううううっと更新できなかった主な理由は、実は肘と肩を痛めておりましてしばらく廃人のようになっておりました。

 

 昨年の終わりから、ときおり肘がいわゆる「テニス肘」と呼ばれる症状がありまして、大したスポーツすらしていない私に、何を間違えてこんなスポーツマン・チック?な病名がついているんだ、と鼻で笑っていたのです。

 が、その後よくわからないうちに肩と首に痛みがきまして、それがまた痛みに強い私が音を上げる痛さで雪の降る夜に薬局に旦那を薬を買いに走らせた行ってもらうぐらいでしたの。

 

 いろいろ病院でみてもらいました。

 

 ただいま肘のリハビリ中でございます。

 

 といっても、もう日常生活は問題なく過ごせますし力仕事はリモートワークの旦那、リモート授業で在宅中の息子に丸投げという、鬼嫁ぶりを余すところなく発揮中。笑 

 

 

 しかしですね、この騒動で一つ良かった点が。

 

 我が家、階段が結構ある家で掃除機を持って移動するのが滅茶苦茶めんどうくさい家なんです。それじゃ飽き足らず、ヨーロッパの掃除機って日本製のものに比べて重いときた。そして部屋を移動する度にコンセントをさして抜いてって、それだけで一仕事なんです。

 

 でも、今、私の肘と肩、重いものもっちゃだめだよね。

 でも、掃除しないわけにはいかないものね。

 箒もあるけど、カーペットはどうするのよ、ね?

 

 と、ついにコードレスのダイソン掃除機を手に入れました。

 うふふ。

 掃除が楽しくて仕方がない。

 軽いし、場所を取らないし、すぐ持ち運びできるのでチャッチャと気になったらすぐ掃除ができるんですもの。

 

 これを『怪我の功名』と言わずになんという、と肘をさすりながら思っている私。

 

 

 でもね、しみじみ健康であってなんぼ、です。皆さんも、肩とひじにはお気を付けください。(私は想像以上の痛みで正直打ちのめされましたから・・・)

 

 

 久しぶりのリリットさん

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