謎の診療所

 

  先日、学校から「動物看護士コース受講者の健康診断」となる紙を渡されました。なんでも、動物を触るのはもちろん薬品を扱ったりするから、アレルギーがないかを調べるための検診・・・というのを聞きました。

 

 そうですね、たまにどうしてもアレルギーのためにその進路をあきらめざる得ない人、いますね。

 娘の友人なんか、医学部に合格したもの、健康診断で医者が手につけるあの薄いゴム手袋、ラテックスにアレルギーがあることが発覚し学校のほうから「いやぁ・・・これじゃぁねぇ・・・」と言われていたのに、「どうしてもここの大学に行きたい」と言い張り、大学側も最終的にはお好きにどうぞ、ということだったそうなのですが、やっぱり実習で手袋をつけないと・・・実習にならんじゃん。この手の授業は必須なので、結局単位がとれずに落とされたそうです。(ポーランドも医学部に入るのはすごい競争なんです。なんだか合格したのにアレルギーのために進学不可能になったこの友人が気の毒)

 

ベッドで猫が転がっても大丈夫なぐらいだから、猫アレルギーはないでしょう。

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 とまぁ、そういうことなのでまず診療所にいかなければいけません。ポーランドの公的診療所、できることなら全力で逃げたいぐらい行きたくない場所です。でも指定診療所に行けば無料だというので、電話して翌日の10時に予約を入れました。『ま、10時っていっても、どうせ診療は11時ぐらいから始まって、終わるのはうまくいって12時過ぎかしらね』と、昔の経験から必要時間を割り出し、待ち時間に読むための厚めの本まで持参して10時前に受付に行くと、「10時予約のペレックさんね?はい、、、じゃ、この紙もって下の階の8号室に行って。ノックして誰もいなかったら、受付に声かけて」と、1分も待たずに受け付け完了。

 

『へ?!』

 

 言われたとうりに8号室に出かけると誰もいないので、受付の人に「あの~検査が~」と声をかければ

 

 「はいはい、すぐ行きますね」

 

 『なぬ?!』

 

 この時点で私の戸惑いは急上昇。こんなに手際がいい診療所が存在するわけがない。私、なんだか間違った場所にきてしまったんじゃないかとソワソワする時間もなく、すぐ看護婦さんが現れて検査開始。

 

 検査もあっという間に終わり、紙を渡され

 

 「じゃ、これを上の階の受付にもっていて」と言われ(アホみたいに)半分口をあけたまま呆然と上の階に向かう私。日本だったら、びっくりカメラを探し始めてたわ、きっと。

 

 上の受付で、私が検査の間に作成されていたと思われる「ペレック診断・セット」を渡され「じゃ、1番3番4番5番の項目を埋めてもらって、埋め終わったら18番の部屋ね。あ、記入は廊下の先に記入できる場所があるからあちらでどうぞ」

 

 言われたとおりに記入して、18番の部屋の前に来たら、部屋から患者さんが出てくるところ。待っている人がほかにいないってことは、、、私の番かい?!

 

 18番をノックすると「どうぞ~」ですって。

 

 私、まだ持ってきた本すら触っていないんですけど。

 

 あれよあれよ、と問診が終わり、先生は判子をバシッと打ちつけ最後に一言、「おつかれさまでした」。

 

 結局計40分もかからなかったのですが、この話を家に戻って息子にしたら「お母さん、エイプリル・フールはまだだよ」とか言われるし、仕事から戻ってきた旦那に話しても「またまた。。。」と相手にされないし。苦笑

 

  私も、あまりに信じられなくて(?)、その判子のついた診断書を診療所から出たその足で学校まで出かけて提出してきました。

 

 だって、家においておいたら葉っぱに化けるんじゃないかと心配で・・・・。