毛皮法案

 毛皮用の動物飼育を禁止する法案が衆議院を通ったポーランド。数年前も同じような法案があがったのですが、毛皮産業の猛烈な反発と教会の反発を受け流れたんですね。そして、今回もう一度あがったこの法案。

 

 いろいろ細かい点では改正する必要があるかもしれませんが、大まかには賛成した野党。そうなると普通は法案が問題なく通りそうなのだけど、今回も反対したのはもちろん毛皮産業、教会、そして現在連立政権なのですが、政権内でもおお揉めとなりました。

 

 現在、政権は首相がだれとか関係なく、K議員の鶴の一声ですべて決まっているといってもいい状態のこの国。そしてこの彼がこの法案を押したのですが、議員の中には(珍しく)反対票を入れた与党議員もいて、それはそれはすごい大騒ぎ。

 

  政権内では鶴の一声は神の一声なので、反対票を投じた議員はすぐ党員資格の一時は剥奪。そして連立内閣で反対票を投じた別の党の大臣は、どうも更迭される予定のようです。

 

 正直、この法案は是非通ってもらいたい。

 ポーランドの世論調査でも7割弱が禁止するべきだと表明しています。

(これがまた、女性のほうが賛成が多くて性別でわけると8割弱が禁止に賛成、男性は6割弱となったようです)

 ポーランドでも今現在毛皮を冬に着る人なんてなかなかお目に掛かれません。私の義母もミンクの毛皮を持っているそうですが、彼女も近年は毛皮を着るほど寒くないから長らく腕を通していないと言っていますし、そういうリッチ感あるスタイルが好きだったという同年代の知り合いは『持ってるけど、買い足すことはないわね。人の目が怖くて(毛皮なんて)街中で着れないわよ。何されるか、言われるかわからないし』ということで彼女も毛皮から離れました。

 

 しかしこれに猛烈に反対しているのが、教会。なぜなら、教会に多額の献金をしているのがこの毛皮産業の大元なんですね。さらに、キリスト教では「動物は人間に仕えるためにある」系の教えですので、動物が人間のために毛皮になって何が悪い?というスタンスが根本にあります。

 

 前回の大統領選挙の時も教会に金をばらまき現与党が支持する大統領候補に投票するよう手を組んでいた現与党と教会。

 

 動物愛護に絡んで動物のにおいだけでなく政治と金のにおいもプンプンしてきます。

 

 さて、この法案は無事通ることになるのでしょうか。今日も、ケージの中で多くの狐やイタチが来るかわからない明日を待っていると思うと、せつなすぎる・・・。

 

こちらは法案の行方を心配する必要のないリリットさん。毎日食べて、寝て、遊んで、、、羨ましい限りです 

f:id:Nietoperek:20200922170518j:plain